こんにちは!smithです。
今回の記事は、中国地方と四国地方の各県の観光客やビジネス客などについて取り上げてみたいと思います。
実はこれらの情報を把握できるデータがあります。
それが観光庁が公表する「共通基準による観光入込客統計」です。
都道府県ごとの観光客やビジネス客、観光消費額などを把握するため、全国共通の調査基準に基づき、平成21年頃から毎年実施されている統計データです。
観光入込客数とは「都道府県の観光地点を訪れた観光入込客をカウントした値」とされています。1人の観光入込客が県内の他の観光地点を訪れたとしても、1人とカウントすることが特徴です。
共通基準による観光入込客統計調査の流れ
①調査する都道府県は、まず観光庁が定める3つの基準を満たす調査実施場所を選定します。
②調査にあたっては、観光庁が示す共通基準に基づき、調査対象や実施時期、調査周期、調査事項等に則って調査を行う流れとなります。
③観光庁の既存統計調査も活用しながら、統計量の推計を行います。
この調査が始まる以前は、各都道府県が独自の基準に基づき調査していたため、地域間でデータの比較等ができない状況でした。共通基準であれば、各地域間の比較もできますね。このデータは、各地域における観光振興の戦略にも使える基礎として活用されています。
今回はこのデータをシンプルにまとめてみました。
それでは、本題に入りましょう!
中四国地方の観光客とビジネス客数
中国地方・四国地方を観光目的で訪れる人ってどれくらいいると思いますか?
調査年度にばらつきはありますが、直近のデータを取りまとめますと、年間で約1億474万人います。
県別の観光客数
県別の観光客数を居住地別でまとめています。項目は「居住地別(県内/県外/外国)」、単位は「万人」です。
県内 観光客 | 県外 観光客 | 外国人 観光客 | 合計 | |
鳥取 | 231 | 496 | 7 | 734 |
島根 | 349 | 723 | 7 | 1,079 |
岡山 | 635 | 738 | 16 | 1,389 |
広島 | 1,053 | 507 | 190 | 1,750 |
山口 | 867 | 580 | 6 | 1,453 |
徳島 | 277 | 696 | 33 | 1,006 |
香川 | 501 | 817 | 28 | 1,346 |
愛媛 | 831 | 350 | 7 | 1,188 |
高知 | 205 | 320 | 4 | 529 |
合計 | 4,949 | 5,227 | 298 | 10,474 |
年で1億人程度の方が中四国地方を観光されていることが分かります。居住する県の観光地を巡る人も半数近くいることが分かります。また、県外観光客は関西圏に近い岡山県や徳島県、香川県が多いですね。
県別のビジネス客数
県別のビジネス客数を居住地別でまとめています。項目は「居住地別(県内/県外/外国)」、単位は「万人」です。
県内客 ビジネス | 県外客 ビジネス | 外国客 ビジネス | 合計 | |
鳥取 | 25 | 109 | 4 | 138 |
島根 | 36 | 110 | 2 | 148 |
岡山 | 54 | 226 | 18 | 298 |
広島 | 151 | 447 | 66 | 664 |
山口 | 51 | 136 | 3 | 190 |
徳島 | 14 | 104 | 7 | 125 |
香川 | 21 | 154 | 20 | 185 |
愛媛 | 39 | 161 | 9 | 209 |
高知 | 29 | 102 | 2 | 133 |
合計 | 420 | 1,549 | 131 | 2,100 |
ビジネス目的の訪問者数は、都市規模によるところが大きい印象ですね。
観光客の宿泊/日帰り別内訳
観光客の宿泊客数、日帰り客数をまとめています。項目は「居住地別(県内/県外/外国)」かつ「宿泊/日帰り別」、単位は「万人」です。
県内観光客 | 県外観光客 | 外国人 観光客 | ||||
宿泊 | 日帰り | 宿泊 | 日帰り | 宿泊 | 日帰り | |
鳥取 | 30 | 202 | 130 | 367 | 7 | – |
島根 | 30 | 319 | 102 | 621 | 4 | 4 |
岡山 | 57 | 577 | 149 | 589 | 13 | 3 |
広島 | 114 | 940 | 213 | 294 | 52 | 139 |
山口 | 68 | 798 | 101 | 479 | 3 | 3 |
徳島 | 16 | 262 | 94 | 601 | 7 | 27 |
香川 | 27 | 474 | 168 | 649 | 27 | 1 |
愛媛 | 46 | 785 | 130 | 220 | 7 | – |
高知 | 30 | 175 | 106 | 213 | 4 | – |
合計 | 418 | 4,532 | 1,193 | 4,033 | 124 | 177 |
広島県では、県外観光客の40%近くが宿泊していることが分かります。愛媛県や高知県も宿泊を伴う県外観光客が多いですね。
観光目的で訪れている方の宿泊・日帰りの県別合計は、以下の表にて整理しました。
宿泊者 | 日帰り | 合計 | |
鳥取 | 167 | 569 | 736 |
島根 | 136 | 944 | 1,080 |
岡山 | 219 | 1,169 | 1,388 |
広島 | 379 | 1,373 | 1,752 |
山口 | 172 | 1,280 | 1,452 |
徳島 | 117 | 890 | 1,007 |
香川 | 222 | 1,124 | 1,346 |
愛媛 | 183 | 1,005 | 1,188 |
高知 | 140 | 388 | 528 |
合計 | 1,735 | 8,742 | 10,477 |
観光目的で中四国地方に宿泊されている方は、約1,735万人いることが分かります。約6人に1人が宿泊していることになります。
ビジネス客の宿泊/日帰り別内訳
ビジネス客の宿泊客数、日帰り客数をまとめています。項目は「居住地別(県内/県外/外国)」かつ「宿泊/日帰り別」、単位は「万人」です。
県内 ビジネス客 | 県外 ビジネス客 | 外国人 観光客 | ||||
宿泊 | 日帰り | 宿泊 | 日帰り | 宿泊 | 日帰り | |
鳥取 | 25 | – | 68 | 41 | 4 | – |
島根 | 36 | – | 81 | 30 | 2 | – |
岡山 | 54 | – | 158 | 68 | 18 | – |
広島 | 151 | – | 375 | 73 | 53 | 13 |
山口 | 51 | – | 107 | 30 | 3 | – |
徳島 | 14 | – | 82 | 22 | 4 | 3 |
香川 | 21 | – | 115 | 39 | 20 | – |
愛媛 | 39 | – | 144 | 17 | 9 | – |
高知 | 29 | – | 85 | 17 | 2 | – |
合計 | 420 | – | 1,215 | 337 | 115 | 16 |
データによると、愛媛県は県外ビジネス客のうち、約9割が宿泊する結果になりました。愛媛県を訪れる県外ビジネス客は計161万人で数値が少ない訳でもないので、それなりに信用できる気もします。
ビジネス目的で訪れている方の宿泊・日帰りの県別合計は、以下の表にて整理しました。
宿泊者 | 日帰り | 合計 | |
鳥取 | 97 | 41 | 138 |
島根 | 119 | 30 | 149 |
岡山 | 230 | 68 | 298 |
広島 | 579 | 86 | 665 |
山口 | 161 | 30 | 191 |
徳島 | 100 | 25 | 125 |
香川 | 156 | 39 | 196 |
愛媛 | 192 | 17 | 209 |
高知 | 116 | 17 | 133 |
合計 | 1,750 | 353 | 2,103 |
中四国地方の観光客とビジネス客の観光消費額
中国地方・四国地方を観光やビジネスで訪れる人が、交通費、宿泊費、お土産代、飲食費などでどれくらいのお金を消費しているかが分かるデータを取りまとめました。
観光客1人あたりの県別の観光消費額
観光客1人あたりがその県で観光したことによる消費金額をまとめています。
項目は「居住地別(県内/県外/外国)」かつ「宿泊/日帰り別」、単位は「万円」です。
県内観光客 | 県外観光客 | 外国人観光客 | ||||
宿泊 | 日帰り | 宿泊 | 日帰り | 宿泊 | 日帰り | |
鳥取 | 1.06 | 0.23 | 2.38 | 0.59 | 2.07 | – |
島根 | 1.53 | 0.27 | 2.65 | 0.52 | 2.87 | 0.55 |
岡山 | 2.28 | 0.32 | 2.53 | 0.63 | 3.45 | 0.70 |
広島 | 0.97 | 0.23 | 2.04 | 0.67 | 2.10 | 1.00 |
山口 | 1.11 | 0.54 | 1.60 | 0.78 | 2.68 | 0.48 |
徳島 | 1.69 | 0.24 | 2.44 | 0.70 | 2.45 | 0.63 |
香川 | 2.08 | 0.33 | 2.64 | 0.69 | 5.08 | 0.77 |
愛媛 | 1.80 | 0.34 | 3.14 | 1.00 | 2.68 | – |
高知 | 1.80 | 0.40 | 2.95 | 0.88 | 4.05 | – |
県内観光客より県外観光客、県外観光客より外国人客の方が多くのお金を消費する傾向があるようです。また、県によっても観光消費額に大きな差があることが分かります。
ビジネス客1人あたりの県別の観光消費額
ビジネス客1人あたりがその県で観光したことによる消費金額をまとめています。
項目は「居住地別(県内/県外/外国)」かつ「宿泊/日帰り別」、単位は「万円」です。
県内 ビジネス客 | 県外 ビジネス客 | 外国人 ビジネス客 | ||||
宿泊 | 日帰り | 宿泊 | 日帰り | 宿泊 | 日帰り | |
鳥取 | 1.61 | 0.40 | 3.62 | 0.57 | 3.13 | – |
島根 | 2.15 | 0.65 | 2.68 | 0.63 | 10.22 | – |
岡山 | 2.35 | 0.50 | 3.10 | 0.51 | 11.15 | – |
広島 | 2.35 | 0.26 | 2.02 | 0.51 | 11.58 | 0.96 |
山口 | 2.35 | 0.51 | 3.18 | 1.03 | 10.60 | – |
徳島 | 2.36 | 0.49 | 2.67 | 0.65 | 7.52 | 0.92 |
香川 | 2.35 | 0.53 | 2.95 | 0.65 | 7.54 | – |
愛媛 | 2.36 | 0.50 | 2.67 | 0.65 | 7.49 | – |
高知 | 1.61 | 0.41 | 2.74 | 0.55 | 6.94 | – |
一部の数値が類似した結果になっています。要因は、観光庁が実施している既存統計データを用いているためのようです。大きな声では言えませんが、ビジネス目的の観光消費額がどこまで正確なのか分からないですね。
ただ、他項目に関しては「共通基準による観光入込客統計データ」の信憑性が比較的高いと言えると思います。やはり基準となる調査のルールが共通で定められているのは大きいですね。
より細かなデータをご覧になりたい方は、観光庁のホームページをご覧いただければと思います。他にも様々な指標が載っていますので、面白いと思います。表が細かかったりするので、何がどこに書いてあるのか把握するのに疲れるんですけどね(笑)
それでは、次の記事でお会いしましょう!
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